Take Me 同好会(非公認)のブログ

MLB(メジャーリーグベースボール)を中心に月1ペースで記事を書いたり書かなかったりしています。

フレーミングに審判は慣れたのか

 フレーミングに審判は慣れたのかについて、ザックリと考えたい。たかった。

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 事の発端

 

 

 いきなり話の脱線

www.statcorner.com

 

 上記のサイトでは、2007年から捕手のフレーミングについてのスタッツを公表している。算出方法はサイトによって異なるのだが、詳細についてはrani氏のモーメントを見るのが手っ取り早い。

twitter.com

 ちなみに、2007-2018年にプレーした全捕手の内、もっとも+Callsが高かったのは、2008年のホセ・モリーナである。

 

 フレーミング動画

 この記事に目を通している時点で、フレーミングが優れている捕手と言えば○○と固有名詞が思い浮かんでいるとは思うが、一応YouTubeに投稿されているフレーミング動画をご紹介。素人でもなんかヤバい技術を持っていることが分かる。


【MLB】フレーミング・世界トップ8 ~MLB Best Framing~

 

 閑話休題、ヤディアー・モリーナの年度別+Callsのグラフ

 そして、その弟、ヤディアー・モリーに話を移そう。

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 このグラフは、ヤディアー・モリーの年度別(2007-2018年)+Callsの折れ線グラフである。2016年以降明らかに下降している。そうでなくとも、2013年以降の+Callsは突出している値とは言い難い。

 

 発端の根拠

 私は、この数値を根拠として、ヤディアー・モリーフレーミング技術は衰えていると考えた。しかし、これだけで言えるのだろうか?というのが前置きだ。(当初、ここで1000文字超えていたが、推敲の結果シェイプアップに成功)

 

 浮かぶ疑問

  1. フレーミングは衰えないと言ったな、あれは嘘だ。
  2. pitch f/x導入によって審判のストライクゾーンの精度は挙がったように、フレーミング普及によって審判の精度が挙がった。
  3. そもそも+Callsだけで判断するのは絶許。顔も見たくない。

 1はシンプルだ。フレーミング技術は衰えないというのは間違いだったか、もしくは彼が例外だった。が、今回はこれはどうでも良い。というより、シンプルに分からない。考えたくない。

 2は慣れだ。これはひょっとしたらありうるかもしれない。昨年の成績を見て考えた。これは後で考える。

 3、そもそも+Callsは総合的な結果でしかない。WARと同じである。内訳を見なければ細かいことは分からない。

 

 ヤディアー・モリーナの具体的(?)なフレーミング

 2016年と2018年のプレー動画を見比べ、当時からのフレーミングの変化があるか否か比較出来れば良かったが、あいにく、私は変化を事細かく指摘する術を持たない。魚を見ても、魚について知識がなければ知らない魚としか言えないのだ。……と言うことで、いつも通りデータに頼ろう。

 

 ヤディアー・モリーナの年度別zBall%,oStr%のグラフ

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 zBall%(橙)は、ストライクゾーンで捕球したボールが、審判によってボールと判定された割合。oStr%(灰)は、その逆。つまりoStr%は高いほうが良い。

 

 +Calls悪化の考察もどき

 2018年は若干zBall%が高いが、露骨に悪化したわけではない。oStr%の悪化が+Calls減少の理由と言える。一方、2017年はzBall%がキャリアワーストだった。(サンプル数は割愛しているが、2007年はサンプル数が少ない)2017年と2018年では、+Callsが-に転じた理由が異なることが分かった。理由が異なるということは、衰えているかどうか何とも言えないことになる。

 

 

 審判はフレーミングに慣れて来ているのか

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 このグラフは、全選手平均の年度別zBall%(青)とoStr%(橙)の折れ線グラフ。年々、ボールゾーンでストライクと判定される割合が低下している。が、ストライクゾーンでボールと判定される割合も低下している。折れ線グラフだけを見れば、審判のストライクゾーンは改善されているということになる。

 

 慣れた前提の要因

 慣れた前提で、要因はいくつか考えられる。

  1. フレーミングの突出した捕手の不在。
  2. フレーミングの普及により全体的にレベルが向上。全体的に上手いものだから、ストライクゾーンが修正されて来ている。

 1はそうは考えられない。

 

 下手な選手が増えているのか?

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 これは、全選手平均の年度別RAAの折れ線グラフ。これを見ると、突出した捕手の不在というより、フレーミングの優れていない捕手が増えたように感じられる。(フレーミングの優れた捕手が増える→以前から優れていなかった捕手の技術が浮彫になっているという可能性もアリ)とすれば、2も否定されることになる。普及によりフレーミングが知られるようになった結果、下手な選手が目立つようになっている。というところだろうか。

 

 適当極まりない感想

 ホームラン狙いのバッティングにより、(とりわけボールゾーンの投球に対する)スイングが増加傾向にあるメジャーでは、フレーミングの需要も変化しつつあるかもしれない。

 フレーミング技術やNPBフレーミングが優れている選手に関する情報は引っかかるが、今回調べたいことは日本語ではなかった。後日英語(fangraphs辺りにあるはず)圏で少し調べたいと思う。

 適当に色々書いたこの辺で、だんだん眠たくなってきた。続きは夢の中で考えることにする。皆様方で考えていただければ本望……zzZ。